政治活動の一環としてチラシを配ることは、候補予定者や後援会が自分たちの考えや取り組みを知ってもらうための大切な手段です。
ただし、選挙期間に入るとビラの配布方法が細かく決められており、時期や表現を誤ると公職選挙法違反にあたる可能性があります。
本記事では、政治活動ビラの合法・違法の境界線や、ポスティングが認められる理由を解説します。
政治活動チラシの配布は違法?合法?
政治活動期間に配られるチラシは、選挙期間中に使われる「選挙ビラ」とは別の扱いになります。
それぞれのビラがどのように区別され、なぜ判断基準が変わるのかを理解しておきましょう。
選挙ビラと政治活動ビラの違い
選挙ビラは、選挙運動のために認められた公式の印刷物で、配布できる時期・方法・枚数が法律で厳しく決められています。
新聞折込や選挙事務所での配布など特定の方法しか許されず、ポスティングや郵送は違法です。
一方、政治活動ビラは選挙前の活動報告や後援会ニュースとして扱われ、選挙ビラほど細かな規制はありません。
ただし、選挙期間に入ると自由な方法で配れなくなり、選挙運動に関する規制が適用されます。
「立候補予定」などの選挙と直接結びつく表現は、事前運動とみなされるため避けましょう。
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政治活動のビラ配布はどこまで可能?ルール・作り方・注意点を分かりやすく解説
ポスティングが認められる理由
政治活動ビラは、選挙運動用のビラではありません。
選挙ビラのように、頒布方法の厳しい制限を受けないのが特徴です。
郵便受けへの投函や、エリアごとのポスティングが広く認められています。
また、地域全体に効率よく情報を届けられる点はメリットです。
ただし、公職選挙法の規定は政治活動にも及ぶため、投票依頼と受け取られる表現や立候補を想起させる文言は使用できません。
マンションの「チラシお断り」掲示や私有地での投函禁止など、地域独自のルールにも従う必要があります。
適切な範囲で行えば有効な広報手段ですが、誤ると違法となる可能性があるため注意が必要です。
選挙期間と政治活動期間の違い
チラシ配布ができる時期や、使える表現の範囲は、「政治活動」と「選挙運動」をどう区別するかで大きく変わります。
ここでは、それぞれの違いを解説します。
政治活動期間とは
政治活動期間とは、一般的に「選挙の告示・公示より前の期間」を指し、議員・候補予定者が日頃の活動や考えを住民に伝えるために自由に動ける時期です。
下記のような行為は、憲法に基づく表現の自由として広く認められています。
- ・街頭あいさつ
- ・後援会ニュースの配布
- ・チラシのポスティング
ただし、政治活動であっても「立候補が確定しているように読める文言」や「投票を促す表現」を使うと、選挙運動と判断される可能性があります。
政治活動でも文書掲示には一部規制があるため、完全に自由というわけではありません。
告示日前にどこまで準備できるかが、選挙本番を左右します。
選挙期間とは
選挙期間とは、立候補届が受理された瞬間から投票日前日までの決められた日数のことです。
この期間に限り、特定の候補者への投票を求める「選挙運動」が許されます。
一方で選挙運動には厳格なルールがあり、たとえば選挙ビラの配布は認められていても、枚数やサイズ、頒布方法は細かく法律で決められています。
ポスティングや郵送は認められません。
選挙期間は国政選挙で12〜17日、地方選挙では5〜9日と短いため、告示前の政治活動でどれだけ土台を作れるかがポイントです。
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選挙の告示前にできることとは?合法な政治活動と事前準備について解説
事前運動とみなされる文言に注意
政治活動中であっても、使う表現次第では「事前運動」とみなされ、違法になるおそれがあります。
事前運動とは、本来選挙運動ができない時期に、投票依頼につながる行為をすることです。
「〇〇に投票を」「立候補予定です」などは典型的なNG例です。
文言そのものが直接的でなくても、行為全体が選挙に向けた働きかけと見なされ、事前運動と判断されるケースがあります。
政治活動は原則自由ですが、表現を誤ると一気に違法になるため、文章やデザインの作り方には細心の注意が必要です。
政治活動のチラシ配布(ポスティング)の基本ルール
ここでは、政治活動のチラシ配布の基本ルールを解説します。
- ・投票依頼を含む言い回しは禁止
- ・戸別訪問と判断される行為はNG
- ・マンション・私有地などでの投函ルール
- ・深夜・早朝の配布はトラブルの原因
それぞれチェックしていきましょう。
投票依頼を含む言い回しは禁止
政治活動中に配布するチラシで、もっとも注意が必要なのが文言です。
選挙運動が許されていない時期に「〇〇に投票してください」「立候補予定です」など、選挙への出馬や投票依頼を連想させる表現を使うと、事前運動と判断される可能性があります。
事前運動は公職選挙法で禁止されており、意図していなくても違反になるリスクがあるでしょう。
政治活動ビラでは、あくまで政策紹介や活動報告にとどめ、選挙色の強い表現は避けることが基本です。
とくに告示が近づくほど判断が厳しくなるため、文言チェックは念入りに行いましょう。
戸別訪問と判断される行為はNG
政治活動期間でも、住民の家を訪ね歩き、チラシを手渡したり声をかける行為は「戸別訪問」と見なされ禁止されています。
戸別訪問は、公職選挙法で誰が行っても禁止されている行為です。
ポスティングであっても、インターホン越しに説明したり、住民へ直接声をかけると訪問行為とみなされるおそれがあります。
政治目的で、敷地内に立ち入ること自体が問題となるケースもあります。
マンション・私有地などでの投函ルール
ポスティング自体は可能ですが、マンションや私有地では「チラシ投函禁止」などの掲示がある場合があります。
意思表示を無視して敷地に立ち入ると、刑法130条の住居侵入罪に問われる可能性があります。
集合住宅では管理会社が「チラシ一切禁止」と規定しているケースも多く、トラブルに発展するおそれも。
政治活動ビラは地域情報として受け入れられることもありますが、最終的には住民の意思が最優先です。
深夜・早朝の配布はトラブルの原因
政治活動ビラの配布時間について、明確な法律の制限はありません。
しかし、深夜や早朝のポスティングは避けるべきです。
静かな時間帯の物音は住民の不安を招きやすく、苦情や通報につながることがあります。
選挙が近くなると住民も敏感になり、些細な音でも選挙管理委員会への相談に発展することも。
暗い時間帯は誤って立入禁止区域に入ったり、敷地内の物を傷つけてしまうリスクもあります。
住民との信頼関係を損なわないよう、配布は日中の時間帯に行うことが基本です。
政治活動チラシのポスティングが有効な理由
政治活動ビラは、選挙期間のような厳しい配布ルールがないため、住民に直接メッセージを届ける手段として高い効果を発揮します。
具体的にポスティングが有効な理由は、下記のとおりです。
- ・大規模に配布できる
- ・地域ごとの特色に合わせた訴求ができる
- ・SNS・LINEなどの導線と相性がよい
詳しく見ていきましょう。
大規模に配布できる
ポスティングの最大の魅力は、一度に多くの世帯へ情報を届けられる点です。
挨拶回りや街頭活動では、どうしても接触できる人数に限りがあります。
しかし、ポスティングであれば1日で数千世帯に配布することも可能です。
選挙区が広いほど手が届かないエリアが生まれがちですが、ポスティングなら地域全体をまんべんなくカバーできます。
知名度の向上や政策理解の浸透には、複数回の接触が効果的なため、大規模に届けられるポスティングは有効な手段です。
地域ごとの特色に合わせた訴求ができる
ポスティングは、エリアごとに内容を変えて配布できる点も大きな利点です。
たとえば、子育て世帯が多い地域では教育や医療政策を中心に、高齢者が多い地域では福祉や生活支援を強調するなど、住民の関心に合わせた訴求を行えます。
地域によって課題や求められる政策は異なるため、画一的な内容よりも地域に寄り添ったビラの方が共感されやすく、理解も深まりやすいのが特徴です。
SNS・LINEなどの導線と相性がよい
政治活動ビラは紙媒体でありながら、SNSやLINEとの相性がよいのも特徴です。
ビラにQRコードを添えることで、LINE公式アカウントやSNS、活動報告ページへすぐアクセスできます。
継続的な関係作りにつなげられるでしょう。
紙では伝えきれない動画・実績・イベント情報などは、オンラインで補完できます。
そのため、「紙で興味を持ってもらい、オンラインで関係を深める」という流れがスムーズに作れるでしょう。
ポスティングとデジタル発信を組み合わせることで、活動の効果を大きく高められます。
効果的な政治活動チラシのポスティング方法
政治活動チラシは、配布の仕方によって反応が大きく変わります。
いつ配るか・どのような内容にするか・どの地域へ届けるかを工夫するだけで、同じ枚数でも得られる効果に大きな差が生まれます。
効果的な政治活動チラシのポスティング方法は、下記のとおりです。
- ・選挙が近い時期に配布する
- ・内容を毎回更新する
- ・エリア特性に合わせたチラシを作る
- ・短期間で集中的に配布する
これらのポイントを意識し、戦略的に配布しましょう。
選挙が近い時期に配布する
政治活動チラシは、選挙が近づくほど関心が高まり読まれやすくなるため、告示日の直前にまとめて配布するのが効果的です。
選挙から離れた時期に配ってしまうと印象が薄れ、内容を覚えてもらいにくい傾向があります。
選挙期間に入ると、チラシのポスティング自体が禁止されるため、告示日前に全エリアへの配布を終えておくことも必須です。
「いつ配るか」を意識するだけで、住民への伝わり方が大きく変わります。
内容を毎回更新する
複数回配布する場合は、毎回テーマを変えるのがおすすめです。
同じ内容を繰り返すだけでは、住民に「前と同じチラシだ」と判断され、読まれずに処分される可能性が高くなります。
下記のように、段階的に内容を深めると読みやすくて理解してもらいやすい構成になります。
- ・1回目:自己紹介
- ・2回目:重点政策
- ・3回目:実績紹介
チラシの数が多いほど「何をどの順番で伝えるか」が重要になります。
エリア特性に合わせたチラシを作る
地域によって住民の関心は大きく異なるため、エリアごとに訴求内容を調整すると反応が高まります。
子育て世帯が多い地域では教育・医療の政策を前面に出し、高齢者の多い地域では介護や生活支援を中心に記載するなど、それぞれが抱える課題に寄り添った内容が効果的です。
画一的なチラシよりも、「地域に合ったメッセージ」の方が、読み手の共感や信頼を得やすくなるでしょう。
短期間で集中的に配布する
短期間のうちに連続でチラシを届けることで、住民の記憶に残りやすく、口コミも生まれやすくなります。
反対に、長期間に分けて少しずつ配布すると、印象が薄れやすく、効果が分散してしまいます。
1〜2週間ほどの期間にまとめて複数回配布することで、「最近よく目にする人だ」という存在感を高められるでしょう。
選挙区が広い場合は、重点エリアを決めて集中的に配布するのも有効です。
まとめ:政治活動のチラシ配布はルールを守って効果的に活用しよう
政治活動のチラシ配布は、告示前の段階で知名度を高め、政策を伝えるための大切な手段です。
しかし、公職選挙法では事前運動の禁止や投函ルールなどが定められており、意図せず違反にあたるケースもあります。
とくに、投票依頼と受け取られる文言や、投函禁止エリアへの立ち入りには十分な注意が必要です。
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浅田 孝
アサダ印刷株式会社 代表取締役
W1N選挙カー 代表
1968年生まれ
累計400を超える選挙活動に従事、選挙カー貸出とともに候補者の寄り添い、共に当選を目指す。
モットーは、問い合わせメールに最短で返信(休日関係なく)依頼事は、経験なくても断らず全力で対応する。
常に、候補者目線で考え行動する。
選挙のプロであり、印刷のプロ。